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日本人の住まいの行方

住宅について考えます

空き家の一番の問題点

 

最近、世の中で空き家問題が騒がれてきていますが、自分の感覚でも東京通勤圏で空き家が急増しているように感じられます。

空き家の主な理由は、所有者の子供家族との同居や近居、介護施設への入居、相続がほとんどのように思います。(調査資料が公開されていますが、サンプル数が少なすぎ参考程度にしかならないので、あくまでも自分の感覚です。)

 

高度成長期に大量供給された、首都圏郊外のバス便の住宅地や、東京に直通していない路線の駅から遠いエリアの戸建の住宅地が一番の問題かと思われます。

何故問題かというと、量があまりにも多く、一括して造成分譲されており所有者の年齢も偏っていることから、一気に空き家が急増することです。

そして、親の代では通勤していたその家も子供にとっては不便で、子供は持ち家を持っていることが多い状況です。

 

さて、この空き家たちの今後はどうなるのでしょうか?

相続で取得して放置している人が多い理由としては、名残惜しいとか、片付けが大変だとか、色々あると思いますが、この方たちが忘れていることがあります。

「日本の土地は全て国有と同じ」だということです。

一般的な首都圏郊外の40坪前後の土地で、仮に建物評価がほとんど無くても平均で年10万円弱程度の固定資産税はかかっていると思われます。名前は税金でも、地代を国に支払っているのと同じです。

 

不思議なのが、使う予定が無いのに地代を支払い続けている人が、かなりの人数いることです。

何故でしょうか?

将来まとまったお金になると思っているからです。

 

不動産の価格は需要と供給で決まります。現在首都圏の便利な場所には、タワーマンションが多く建築されており、床面積から考えると日本の不動産は増えています。それも郊外の住宅地より便利なところに増えているのです。

 

皆様ご存じの通り人口は急激に減っています。特に住宅購入層で言えば、団塊ジュニアの世代が住宅購入適齢期を過ぎつつある現在、低金利と便利な場所の不動産を増やすことにより、団塊ジュニアとその次の世代を狩り尽くしているのが現在の状況です。

そして、この世代より下に行くに連れて、非正規雇用や未婚率は上がって行きます。

 

来年から間違いなく、東京駅30km前後以遠の東京都市部直通駅徒歩圏以外の不動産の価格は下がっていることが表面化します。金融政策で株やREITを買い続け、マスコミにも空気を読ませ、夏の参議院選挙までは雰囲気でごまかすと思いますが、そろそろ限界です。

 

このように中途半端な状況の不動産を持っている人が多い中で、首都圏の不動産も郊外は下がり始めており、人口動態からもう上がることは無いだろうと皆が解ったらどうなるでしょう?

 

そうです。

バブル崩壊です。

 

今までの、不動産価格の下落は景気や金融政策の変化が引き金でしたが、その辺は今回は慎重に進めていると思います。ただし、今度のバブル崩壊の特徴は需要が無くなる

「終わりのない下落です。」

おそらく、みな我先にと狂ったように空き家を売却しようとするでしょう。

そして、多くの人が親の家等で言わば不労所得なので、とにかく売ろうとして価格はいくらでも下げて来るでしょう。

 

怖いですね。

 

でも国土交通省は知っているのです。

こうなることを。

 

国土交通省のホームページを見ると最近5年くらいに、 

中古住宅の流通促進、賃貸促進、リフォーム促進など、中古住宅の色々な再利用促進策を検討しています。

ただし、人口が減るわけですから、移民でも来ない限り不動産の需要は増えません。

あえて言えば事務所、セカンドハウス、別荘くらいですか。

 

そして、怖いのは価格の下落だけではありません。

空き家増加による治安の悪化や、固定資産税未納等のモラルの悪化や人心の荒廃です。

 

昨日の日本経済新聞に、来年の社会保障費の高齢化による増加が6,700億円になりそうだが、今年6月に閣議決定した5,000億円に抑えるにはどうしようか、と報道されていましたが、2年で1兆円社会保障費が増えるというのは、この労働人口が減少する中で打ち出の小槌でもないと賄えません。

 

このような中で、不動産価格が下落して固定資産税も下げなくてはいけなくなると、国家運営には致命的です。

不動産の価格や景気がどうだとかの次元ではなく、高齢者医療費・介護費実費で生活保護も食料引換券と無料住宅の供給のみ、などになりかねません。

 

でも、これは家が余っているのに郊外の山や緑を造成して無くしている、新築促進行政の付けなのです。

「都市圏市街地指定エリア以外は開発許可を出さない、開発許可が必要な面積も小さくする」等の政策を今からでも行う必要があると思います。

かなり手遅れですが。少なくても現在の空き家問題で困っている同じエリア内で、今もどんどん建売住宅が分譲されている、という状況は異常です。

 

ゆくゆくは、全て国と全国民に跳ね返ってきて、国は荒廃し、政治家は落選すれば良いですが、その時に行政機関の方々にも非難は来ると思います。

国家運営をする方々がこの文章を目にするとは思っていませんが、今のうちに「対応はした」という状況を作っておいた方が良いと思いますがね。